たたみ替えの目安
裏返し
2~3年 今付いている畳の表をはずして、裏面にひっくり返し、新しいヘリと共に畳に付け直します。畳の表は両面使えますので、早めの裏返しで美しく仕上がります。
表替え
5年程度 今付いている畳の表だけをはずして処分し、新しい畳表と新しいヘリを既存の畳床に付けて仕上げます。
新畳
10~15年 今ある畳を処分し、新しい畳を作ります。
15年以上でも畳の床(芯材)がしっかりしていれば表替もできます。反対に15年未満でも、既存の畳の床が使えない場合、新畳替えをお勧めします。その部屋の使用頻度によって変わってきますので、上記の表はすべてに当てはまる訳ではありません。やはり畳のプロに相談して、見てもらうのが一番でしょう。
畳を踏んだ時に沈みが気になるという場合、畳をすべて新しく作り直しても和室の床がひどく痛んでいる場合は、いくら新しい畳を入れてもそれは変わりませんので、床の改修工事をしてから新しい畳を入れるように勧めております。
それぞれの和室によって畳は1枚1枚大きさが違い、どこの位置にどの向きで入れるのかも決まっています。寸法を測って作る畳はその家だけのオーダーメイド商品です。新畳の畳の裏には畳店ごとに独自の文字が記載され、どこに置いてあったかが判るようになっています。
畳表の見方
お手頃品
上級品
畳表を織る時に使う糸が、綿1本、綿2本、麻1本、麻と綿、麻2本と種類があります。
一番弱いのが綿1本、強いのが麻2本になります。
一枚の畳表にイグサを3,800本から8000本使われており、本数の多い方が良い畳表となり、上質の畳表ほどイグサの打ち込み本数が多く、強度のある麻の糸が使われています。
上質な畳表は丈の長いイグサを使っており、イグサの使用本数が多いため目が詰まっていて、握ってみた感じも、お手頃品と比べるとかなり厚みがあります。畳表の見た目も重要ですが、目が詰まっていて厚みがあるという事は、イグサが擦り切れにくく丈夫な畳表ということになります。
畳床
たたみ床は新畳を作る時に必要になってきます。
今では稲わらだけを使った畳はあまり見かけなくなりましたが、畳床で一番多く出ているのは、Ⅲ型という畳ボード(木質繊維板)でポリスチレンフォームをはさんだ建材畳床です。
畳の厚さによって中の材料が若干違ってきますが、当社で作成できる畳の厚さは最小で15mm最高で60mmになります。
60~30mmが普通サイズ、30mm未満は特殊サイズとなり、もっとも一般的な厚みは55mmか60mmです。
稲わら畳
稲わらだけを何層にも重ねあわせた畳床になります。吸放湿性・耐久力・復元力という点で一番優れています。昔はどの家もワラ床でしたが今では高級な畳床になります。
稲わらサンドイッチ畳
稲わらでポリスチレンフォームをサンドイッチした畳床になります。稲わらの吸放湿性・耐久性・復元力と、ポリスチレンフォームの断熱性、防音性などの良い所を兼ね備えています。
建材畳(断面図)
稲わらの代わりに木質繊維板でポリスチレンフォームをはさんだ畳床です。稲わらをはさんだ床よりも軽く、価格も手頃でできるとあって、一番市場にでている建材床になります。ダニが繁殖しにくく、断熱性・防音性・耐久性に優れています。
畳の機能性
① 湿度を調節し重大な湿害から守ります。
最近の住宅は昔に比べ機密性が格段に向上し、結露や床下の重大な湿害など、従来では考えられなかった湿気の問題が発生しています。畳は空気中の水分が多いときは湿気を吸収し、乾燥しているときは水分を放出し、お部屋の湿度を調節しています。畳は機密性の高い住宅において、年聞を通してお部屋を快適に保つ、人に優しい素材です。
◆畳の吸放出試験
②有害な化学物質を出しません。
シックハウス症候群を引き起こす原因のひとつと考えられているホルムアルデヒドは接着剤、防腐剤、脱臭剤、殺菌剤などで使用されており、新築住宅の建材や新しい家具、雑貨など色々なものにも含まれています。
畳は、木製のフローリング(合板)と比較して、ホルムアルデヒドなどのVOC(揮発性有機化合物)の発生する量が極めて少ない安全な素材であり、改正建築基準法でも規制対象外となっています。
◆畳とフローリングから発生するVOC濃度の対比
(小型チェンバー内による実験)
③有害な化学物質を吸着します。
現在、私たちが生活している環境には、煙草、自動車や工場から排出された有害物質(窒素酸化物や揮発性有機化合物)がたくさん存在しています。畳には、有害な二酸化窒素やベンゼン・トルエン・キシレン・エチルベンゼン等の比較的有害性の高い化学物質に対して、吸着性があることが確かめられています。
④ベイクアウトすることで機能が回復します。
畳は畳乾燥機などでベイクアウト(加熱乾燥)させると、吸着した化学物質を放出し、再び吸着する能力が回復することが確かめられました。畳や炭など有害物質を吸着する素材には吸着できる量に限界があります。しかし畳は取り外しのできる唯一の床材・建材であり、定期的なメンテナンスや表替えをすることによって、より安全な住宅環境をつくりだすことができます。
◆畳のベイクアウト実験
(小型チェンバー内による実験)
●イグサに大腸菌0-157抗菌作用が!
イグサは畳としての歴史もありますが、実は薬草としての歴史も存在しているのです。毒性はなく、利尿薬、消炎薬などの薬草としての効果があり、首は薬草としても重宝されていたのです。考えてみれば、私たちはその薬草を敷物として用いていたことになるのです。イグサには腸管出血性大腸菌O-157をはじめ、O-26、O111、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、枯草菌、ミクロコッ力ス菌に対して抗菌作用があり、酸や熱にも強いことが研究により明らかになっています。このためイグサを食べた場合、酸度が強い胃を通過しても抗菌性が失われない状態で速やかに腸に達することから、イグサの食中毒未然防止を目的とした活用法の開発に期待が高まっています。
●イグサは活性酸素の消去能力にも非常に優れています。
イグサは活性酸素の消去能力にも非常に優れています。この活性酸素は、少量では免疫効果を発揮するものの、体内に大量に蓄積した場合、ガンや動脈硬化、糖尿病、老化、アトピー性皮膚炎、アレルギー疾患など様々な病気を引き起こすことで知られており、疾患の約90%が活性酸素が原因と言われています。イグサは青汁の原料であるケールの5倍もの活性酸素消去能力があることが明らかになっています。
●イグサが足の臭いをシャットアウト!
最近の研究結果では、イグサは足の臭いの原因となる微生物群に対して抗菌効果のあることが明らかとなった。又、非常に薄い濃度で効果が認められており、畳の部屋を素足で歩くことにより、イグサの成分が足に付着して、足の臭いが軽減できるのではないかと考えられています。
●レジオネラ菌に対しても抗菌効果!
最近の研究結果では、公衆浴場や循環風呂等で肺炎を引き起こす病原菌であるレジオネラ菌に対しても抗菌効果が認められました。熊本では「イグサ風呂」の試験的運用が開始され、イグサにはお肌をスベスベさせる効果もあり、入浴剤としての可能性も広がりをみせています。